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富士山頂サブミリ波望遠鏡

富士山頂サブミリ波望遠鏡(口径1.2 m, 口絵)は、サブミリ波(周波数に して300 GHzから850 GHzの電波)を観測するわが国で初めての望遠鏡 である(口絵)。富士山頂は冬季には気温が低く乾燥するので、サブ ミリ波観測の邪魔になる水蒸気が少なく、観測には絶好の場所である。 その優れた観測条件を活かして中性炭素原子(CI)のスペクトル線(--; 492 GHz) や一酸化炭素(CO)のサブミリ波スペクトル線( J=3--2; 345 GHz)の広域観測を行ない、 星間分子雲の形成過程、詳細構造、化学進化を研究している。

富士山頂サブミリ波望遠鏡は1995年度より製作を行ない、1998年7月 にヘリコプターによって富士山頂に設置された。その後、望遠鏡の 指向精度の校正、345 GHz/492 GHz 超伝導受信機の製作と搭載等を 行ない、同年9月にCIスペクトル線の初受信に成功した。 そして、10月下旬から衛星通信による遠隔操作によって望遠鏡の本格 運用を開始した。心配されていたレドームへの着雪もまったくなく、 望遠鏡は冬季を通してほぼ順調に稼働した。その結果、20平方度とい う、かつてない規模でCIの広域観測を行なうことができた。

本研究は初期宇宙研究センター(代表:佐藤勝彦教授)のプロジェ クトの一つとして推進しており、分子科学研究所の斎藤修二氏、尾関 博之氏、藤原英夫氏、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の立松健一氏、 野口卓氏、宮澤敬輔氏、国立天文台の大石雅寿氏、そして、宇宙開発 事業団の稲谷順司氏との共同研究である。





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Tue Aug 10 15:16:06 JST 1999