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PROJECT 8
系外惑星プロジェクト

太陽系外惑星(以下、系外惑星)の研究は、その発見からまだ20年ほどしか経っていませんが、天文学・惑星科学で最もホットな分野の一つです。これまでに発見された多種多様な惑星系の姿は我々の太陽系と大きく異なるものも多く、惑星形成はもとより星形成過程も含めてそれらの理解を見直し、総合的なモデルを構築すべき時代が到来しています。本プロジェクトでは、装置開発から観測、さらには理論まで幅広い手法を用いて系外惑星の多面的研究を推進しています。

 特に、すばる望遠鏡のコロナグラフHiCIAOと補償光学AO188/SCExAOを用いた系外惑星の直接観測、国内外の中小口径望遠鏡を活用した間接観測(トランジット法、動径速度法、偏光法など)を通じた、系外惑星の探査と特徴づけ、次世代スペース赤外線望遠鏡WFIRSTへの搭載を目指した系外惑星観測用コロナグラフ(WACO)の開発は本プロジェクトの中心課題です。また、惑星誕生の現場あるいは兆候である原始惑星系円盤や残骸円盤の直接・間接観測も並行して行っています。さらに、次世代の地上系外惑星観測装置(TMT用系外惑星装置SEIT、高精度赤外線分光器IRD、赤外線面分光器CHARIS)の開発も国立天文台や諸大学と共同で進めています。これらの観測データを理論研究と組み合わせる事で、既存の天文学・物理学・惑星科学枠にとらわれない、新たな惑星形成・進化モデルの構築を目指しています。

注1) WFIRSTは、WFIRST-AFTAとも呼び、Wide-Field Infrared Survey Telescopeの略語で、NASAがJWSTの後に計画している口径2.4メートルの望遠鏡を用いるスペースミッション。WACOは、WFIRST−AFTA coronagraphの略語。

注2) TMTは、Thirty Meter Telescopeの略語。SEITは、TMTのためのコロナグラフ・補償光学装置。

すばる望遠鏡によるアンドロメダ座κ星(中心)を周回する巨大惑星の直接撮像画像。SEEDSプロジェクトより。