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PROJECT 6
暗黒物質・太陽アクシオン直接検出

暗黒物質の直接探索

これまでに、神岡鉱山地下実験施設でさまざまな検出器をもちいて暗黒物質候補 粒子ニュートラリーノ探索実験を行って来ました。我々が2005 年に出した散乱 断面積に対する制限は、当時において世界最高水準にありました。今後さらに高 感度の探索を行なうためには、暗黒物質以外の宇宙線や放射性物質によるバック グラウンドを低減することが必須であるので、バックグラウンド識別能力に優れ た検出器の開発を行なっています。

Project6・暗黒物質・太陽アクシオン直接検出 図1
東京アクシオンヘリオスコープ

太陽アクシオン実験

また、東京アクシオンヘリオスコープと名づけられた実験装置により、太陽内部 で発生していると考えられる未発見の素粒子「アクシオン」を探索する実験を行 なっています。東京アクシオンヘリオスコープは、4テスラの磁場を発生する長 さ2300mmの超伝導電磁石とシリコンPINフォトダイオードによるX線検出器よりな り経緯儀上に設置され、1mradの精度で太陽を追尾することができます。これま での実験の結果まだアクシオンは見つかっていませんが、アクシオンの質量が 0.84eV − 1eVの範囲でこれまで世界最高の制限を与えることができました。こ の質量範囲では、後発グループのCERN(欧州原子核研究機構)の高感度の実験装 置CAST(Cern Axion Solar Telescope)もまだ観測できていません。

Project6・暗黒物質・太陽アクシオン直接検出 図2
アクシオンと光子の相互作用の強さにつけられた上限値。横軸はアクシオンの質量。

担当研究者

蓑輪 眞