PROJECT 5
暗黒物質・太陽アクシオン直接検出
■神岡鉱山における暗黒物質探査■
ニュートラリーノ発見をめざして
暗黒物質の候補粒子「ニュートラリーノ」を直接検出するために、フッ化リチウム単結晶と 高感度抵抗温度計（サーミスター）からなる極低温熱量計型検出器ボロメーターを開発し、 神岡鉱山内の地下実験室で観測を行なっています。現在までの観測ではまだニュートラリーノは 発見されていませんが、スピンに依存した相互作用をする暗黒物質素粒子と陽子の断面積に対する 上限値について、5GeV以下の軽い質量領域では世界最高の感度を実現しています。
フッ化リチウム単結晶とサーミスター
さらに未知の素粒子
また、アクシオンヘリオスコープと名づけられた実験装置により、太陽内部で発生していると 考えられる未発見の素粒子「アクシオン」を探索する実験を行なっています。アクシオンヘリオ スコープは、4テスラの磁場を発生する長さ2300mmの超伝導電磁石とシリコンPINフォト ダイオードによるX線検出器よりなり回転架台に設置され、1mradの精度で太陽を追尾することが できます。これまでの実験の結果、質量0.03eV以下の領域でこれまでの他グループによる実験に 比べて4.5倍強い世界最高の制限を与えることができました。
アクシオンヘリオスコープ