我々から最も近い典型的な巨大分子雲であるOrion A 分子雲に対して、そのほぼ全領域、
9平方度に対して3'グリッドでCI(492 GHz)、CO( J=3--2, 345 GHz)の同時観測を
富士山頂サブミリ波望遠鏡を用いて行なった。その結果、CIは分子雲全体にわたって
広がっていることが初めて明らかになった(図)。
CO J=3--2は光学的に厚く、分子雲全体の温度環境をトレースしている。
CIの分布は
CO J=1--0とよい相関を示し、
標準的光解離領域の性格をよく反映していることが明らかになった[19]。
Figure: 富士山サブミリ波望遠鏡で得られたOrion A 分子雲のCI輝線積分強度図(速度範囲 3--13 km s)。
等高線は 6.0 K km/s から 3.0 K km s
ステップ、
グレースケールは 4.0--60.0 K km s
の範囲で表示。