3.1THz帯でのヘテロダイン検出に成功


 我々のグループでは、天体観測に向けたテラヘルツ帯ヘテロダイン検出技術の開発を行っています。今回、情報通信研究機構において製作したテラヘルツ帯量子カスケードレーザーを局部発振器として使用し、準光学型ホットエレクトロンボロメータ(HEB)ミクサと組み合わせることにより、3.1THz帯におけるヘテロダイン検出に成功しました。超伝導物質にNbTiNを用いたHEBミクサとしては、この帯域では初めての動作です。受信機雑音温度は5600 K(DSB)、光学系の損失を考慮すると2100 Kに相当し、世界的に主流となっているNbNを用いたものと同水準の性能が得られています。 この研究は、名古屋大学の前澤裕之氏、情報通信研究機構の入交芳久氏、関根徳彦氏、寳迫巌氏との共同研究です。

図1.テラヘルツ帯量子カスケードレーザーの端面の様子



図2.量子カスケードレーザーの出力特性。 テラヘルツ帯量子カスケードレーザーとしては、日本で初めて連続動作に成功した。



図3.ヘテロダイン測定系の概要。本実験は情報通信研究機構にて行った。


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