テラヘルツ帯準光学型HEBミクサの開発に成功


 我々のグループでは地球大気観測用、天体観測用テラヘルツ受信機の開発を進めています。
 テラヘルツ受信機として数 THzまで使用できる、準光学型ホットエレクトロンボロメータミクサを採用し、その細線部分の超伝導体にはNbTiN(窒化ニオブチタン)を用いています。受信機の運用はチリ共和国アタカマ高地での大気環境計測や、計画中の南極THz望遠鏡などの過酷な環境を想定しているため、冷却には長期に渡って安定かつ連続運用が可能な機械式冷凍機を用います。この度、1.5 THz帯での出力の応答を確認しました。(下図)
 これから、細線の最適化をはかり、高感度化・広帯域化・安定性評価を進める予定です。

上の図はホットエレクトロンボロメータミクサの電流電圧特性と IF出力電圧特性を重ねた図です。
電流電圧特性は局部発振器をOFFにした状態と、ONにした 状態を載せています。
IF出力電圧特性では300 Kロードを入射させたときと、 77 Kロードを入射させたときのIF出力を載せています。


 本研究は科学研究研究費基盤(一般、B)(代表)前澤裕之”地球大気OH・酸素原子リモート計測のためのテラヘルツ波ヘテロダインセンサーの開発” および、 基盤(S)(代表)山本智”星形成から惑星系形成に至る化学進化の解明” により推進しています。

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