HXY 型の平面
ラジカルの一つである H
NS ラジカル
の分子構造を正確に知るために、その重水素化物である D
NS
ラジカルの振動基底状態
の回転スペクトル
を測定した。スペクトルの解析の結果、窒素および重水素による
超微細構造定数を含む 17 の分子定数を決定した。
このラジカルの構造が平面であるか、ピラミッド型であるかについては
化学結合の面から興味が持たれているので、得られた慣性モーメントと
遠心力歪み定数の値を使って調和力場解析を行ない、
振動平均 (
) 構造を求めた。
その結果、このラジカルは基本的には平面構造をしているが、
面外に折れ曲がる振動数が約 330 cm
と、同じような
構造と重さを持つ分子 H
CS の値、990 cm
の
約 1/3 の値を持つことがわかった。