PROJECT 5
重力波探査
■重力波によるビッグバン宇宙の探索■

DECIGOの基本構成と仕様
スペース重力波アンテナDECIGOでビッグバン宇宙に挑む
DECIGOは1000km離れた3機のドラッグフリー衛星を用いて宇宙にレーザー干渉計を作り重力波を検出しようとする日本の計画です。DECIGO(DECi-hertz Interferometer Gravitational wave Observatory)は0.1〜10 Hzの周波数帯にある重力波の検出を狙っています。DECIGOの最大の目的は、ビッグバン直後の宇宙を重力波をとおして見ることです。これは重力波でしか見ることのできない世界であり、重力波観測によって宇宙誕生の謎が解き明かされることが期待されています。この他のターゲットとしては、宇宙の加速膨張を詳しく調べることによるダークエネルギーの性質の解明や、巨大質量ブラックホール同士の合体に伴う重力波観測などがあります。
DECIGOの打ち上げは2025年頃と予想されています。計画自体が非常にチャレンジングでありこれから克服すべき技術的問題も多いため、私たちは長期的視点にたってDECIGOの開発を進めています。基礎技術開発の一環としてまず、2009年1月に小型衛星SWIMμνを打ち上げました。この衛星は現在も運用中であり今後の開発にとって貴重なデータを取得しつつあります。現在は次のターゲットである前哨衛星DPF(DECIGO pathfinder)の開発研究を集中的に進めているところです。DPFはDECIGOの実証機として位置づけられていますが、JAXA/ISASの推進する小型科学衛星の重点候補の一つとなっています。

2009年1月に打ち上げられた小型衛星SWIMμν