富士山頂サブミリ波望遠鏡(口径1.2m)は
日本で初めて観測周波数340 810 GHz
のサブミリ波を観測する望遠鏡である
(図1)[24,8,10]。
富士山頂の恵まれた観測条件を活かして、
中性炭素原子線(C
: 492,809GHz)や星間塵関連分子線
の広域観測をおこない、
星間分子雲や銀河の物理的・化学的進化を研究する。
本研究は、平成7年度より発足した初期宇宙研究センター(代表: 佐藤勝彦)の
プロジェクトとして推進しており、
分子科学研究所 斎藤修二氏、尾関博之氏、藤原英夫氏
と野辺山宇宙電波観測所 稲谷順司氏、大石雅寿氏、立松健一氏、宮澤敬輔氏
との共同研究である。
1996年度は口径1.2m・鏡面精度 10m rmsの主鏡の製作をおこなった。
さらに主鏡を駆動系の製作をおこない、仰角・方位角ともに
2秒角の再現性を確認している。
また、サブミリ波用SIS受信機の開発をおこなっている。特に、
遠隔制御に適しているが、温度振幅が大きいという欠点をもつGM2段式4K冷凍機の
温度安定化をおこない、0.2Kの振幅を1/12に減少することに成功している
[17]。
1997年6月より野辺山にサブミリ波望遠鏡を仮設置し、総合試験を1年間おこなう。
その後、1998年7月に富士山頂に移送して、本格的な観測をスタートする予定である。