解析力学 2016年A1ターム 講義情報

追試験情報(第一報)

News 追試験情報(第二報)受験対象者発表 (履修登録がなく中間試験のみ受けた人があと一名いることが判明したので12月26日に訂正しました。)



実施要項はこちら
期末試験は11月14日の講義の時間に行います。参照物の持ち込み不可。18:50迄に退出のこと
(アンケートへの回答時間も含む)。

受験できない人については、事前にメールで申し出のあった場合に限り代替対応を考えます。
爾後の申し出には一切応じません。


9月29日の講義内容
第0部 力学とは何か             なぜかを問うてよい場合、よくない場合
 §1 ニュートンの古典力学         プリンキピアにおける質量・時間概念の問題点
 §2 力学のこれまでとこれから      基本的な力と現象論的な力
 §3 ベクトルとスカラー           成分の数が違うだけではない
 §4 仮想仕事の原理・ダランベールの原理  原理ではない、ニュートンの運動の法則で尽きている

第1部 ラグランジュ形式 
 §5 ラグランジアンの導出         共変性については§9で再考、対称性については§11で再考
 §6 運動を解くということの別の見方   世界線を決めることについてのもやもやした導入(しばらくお待ちください)

10月3日の講義内容
 §6のおさらい
 §7  汎関数と変分法    物理は数学の言葉で記述されるわけですが、喩えて言うならば数学者は言語
 §7.1  汎関数         そのものを研究する言語学者、物理学者はそれを使う文学者とでもいえましょう。
 §7.2  変分法         だからここでやる数学は全て良い加減なものです。
 §8  最小作用の原理
 §8.1  作用汎関数      ここまできてはじめて世界線を決める、ということの力学的意味が少し見えてきます
 §8.2  最小作用の原理
 §9  オイラーラグランジュ方程式の共変性    共変性と不変性は違います。
 §10 拘束条件の下での運動
 §10.1 拘束条件             拘束条件は高次元空間の超曲面を与えると考えると理解しやすいでしょう。
 §10.2 ラグランジュの未定乗数法   正しく解くと拘束力がちゃんと出てきます。
 §10.3 多数の拘束があるとき
 §11 対称性と保存則           対称性は現代基礎物理学の最重要概念の一つです。
 §11.1 運動の積分             対称性があると保存量があります。
 §11.2 運動量保存則            運動量保存則の起源は空間の一様性です。


10月10日は体育の日なので休み。10月17日は後半の時間にかねて予告した中間試験を行います。
実施要項はこちら


10月17日の講義内容
 §11.2 運動量保存則(続き)
 §11.3 エネルギー保存則            時間の一様性との関係。
 §11.4 空間の等方性と角運動量保存則   ベクトル積をこの際おさらいしておきましょう。
 §11.5 ネーターの定理              あとで場の量子論にも出てきます。
第2部 ハミルトン形式
 §12  ハミルトンの正準方程式   これからは座標と運動量が主役です。
中間試験を実施。2:45から解答用紙を配り始め、最後の人が帰ったのは6:25でした。  

10月24日の講義内容
 §12  ハミルトンの正準方程式(続き)  調和振動子の実例
 §13  ルジャンドル変換           熱力学でさんざんやっているはずです
 §14  変分法による正準方程式の導出 オイラーラグランジュ方程式の導出も合わせて振り返りましょう
 §15  正準変換               習うより慣れろ、で練習問題の解答を提出して戴きました。

10月31日の講義内容
 §15  正準変換(続き) 無限小正準変換について  ハミルトニアンが時間発展を誘引すること
 §16  ポアソン括弧式                  量子力学の前哨
 §16.1 時間微分とポアソン括弧式
 §16.2 ポアソン括弧式の諸性質
 §16.3 ヤコビの恒等式                  この証明法は必見
 §16.4 運動の積分とポアソン括弧式
 §16.5 ポアソン括弧式の正準変換に対する不変性
 §17  位相空間とリュービルの定理          統計力学に応用されます
 §18  終点座標の関数としての作用とハミルトンヤコビ方程式

11月7日の講義内容  避難訓練を実施しました  練習問題の解答を提出して戴きました。
 §18.1 終点座標の関数としての作用
 §18.2 ハミルトンヤコビ方程式      これを解いて古典力学の問題を解決することはまずありませんが量子論では重要
第3部 展 開
 §19  電磁場中の荷電粒子の運動   ←期末試験に出る  ヘビサイド単位を勉強しておいてください
 §20  断熱不変量

11月14日の講義内容
 §21  なぜ自然法則は時間に階微分方程式で表されるのか  高階微分を含むと一般に不安定になるからです
 §22  大団円:なぜ古典力学は最小作用の原理に従うのか   経路積分で量子力学を表すとその理由がわかります 神様が節約したわけではありません。
期末試験、アンケート1、アンケート2を実施。3時からはじめて2時間後に残っていた人68名、最後に帰った人5名。

これで解析力学は終わりました。一ヶ月半という短い間でしたが、ご苦労様でした。
期末試験の採点が終わるまでには一ヶ月以上を要す見込みです。追試験についての案内はそのあとになります。

アンケートをざっと見たところ、添え字が読めなかったという意見が多数ありました。話しが込み入ってくるにつれて
板書量が増え、それに伴って字が徐々に小さくなったことは自覚していたのですが、どうも申し訳ありませんでした。
予備知識として仮定した内容については、不適切であったとの意見は僅少でした。一方、「東大なのだから、これについては
遠慮しなくても良い」という意見もありました。東大理学部の学問の水準はわが国の文化・文明の水準を表す重大指標だという
自覚と責任と誇りを持って今後も精進いたしましょう。