測定周波数、8--52 GHz のフーリエ変換ミリ波分光計の
感度向上のためにいくつか改良を行なった。
まず、周波数領域 40--50 GHz において、それぞれ周波数領域の異なる
３つの HEMT 型半導体の増幅器を使うことにより、信号検出感度を
これまでの 5 倍程度に高めることができた。
これにより、この周波数領域で、天然存在比にして 20 ppm の
O
CS 分子の回転遷移を約 10 分の積算で検出できる
感度にまで向上した。
二番目として、新しく球面鏡と真空フランジを設計・製作することで、
マイクロ波の共鳴空洞の光軸と平行に試料ガスを導入する方法を試みた。
その結果、これまでの光軸に直交して試料ガスを導入する方法に比べて、
スペクトルの線巾が約 1/7 になり、周波数決定精度が１桁向上した。
また、感度そのものについても、安定分子種については 5 倍程度、
不安定分子種についても 1--2 倍程度向上した。