富士山頂サブミリ波望遠鏡

富士山頂サブミリ波望遠鏡(口径1.2m)は 日本で初めて観測周波数340 #tex2html_wrap_inline260# 810 GHz のサブミリ波を観測する望遠鏡である (図1)[#sekimotoz1##1#,#yamamotok1##1#,#yamamotok3##1#,#sekimotok3##1#,#sekimotok4##1#]。 富士山頂の恵まれた観測条件を活かして、 中性炭素原子線(C#tex2html_wrap_inline262#: 492,809GHz)や星間塵関連分子線 の広域観測をおこない、 星間分子雲や銀河の物理的・化学的進化を研究する。 本研究は、平成7年度より発足した初期宇宙研究センター(代表: 佐藤勝彦)の プロジェクトとして推進しており、 分子科学研究所 斎藤修二氏、尾関博之氏、藤原英夫氏 と野辺山宇宙電波観測所 稲谷順司氏、大石雅寿氏、立松健一氏、宮澤敬輔氏、楊 戟氏 との共同研究である。 主鏡は口径1.2m、f/D#tex2html_wrap_inline264#の軸対称パラボラアンテナである。 小口径ではあるが809 GHzのビーム径は1.2分角と、 野辺山45m鏡の22GHzに匹敵する。 望遠鏡を風雪から守るためのレドーム(直径2.92 m)は、 ゴアッテクスのメンブレンにより492 GHzを90以上透過する。 ビーム伝送系は340GHzのEdge Level -30 dB (ガウス近似) で設計しており、 340 - 820 GHz帯の観測が可能である。 受信機はニオブの超伝導素子をもちいたSIS (superconducter-insulater-superconducter) 受信機をもちいる。 直交する2個の偏波を492GHzは SSB (single side band)で345GHzは DSB (double side band)で受信する。 望遠鏡は商用衛星通信をもちいた遠隔制御で運用する。 1996年5月現在、アンテナ・受信機・分光計・制御システムの設計を終え、 製作中である。 1997年4月より野辺山にサブミリ波望遠鏡を仮設置し、総合試験を1年間おこなう。 1998年7月に富士山頂に設置して、本格的な観測をスタートする。