可搬型小口径サブミリ波望遠鏡

中性炭素原子スペクトル線(492~GHz)の銀河面広域分布の観測や 新しいサブミリ波観測サイトの開拓のために、可 搬型・小口径サブミリ波望遠鏡を開発している。 アンテナは口径18~cmのオフセットパラボラ鏡で、受信機は小型スターリング冷凍機で80~Kに冷却した低雑音ショットキーバリアダ イオードミキサー(DSB雑音温度1200K)を搭載している。 望遠鏡システムの総重量は160~kg程度で2--3人による運用が可能である。 昨年度にはスペクトル線観測のためのフィルターバンク型分光計の開発 [#hirotak1##1#]、観測用制御ソフトウェアの開発、アンテナが正しく 天体を追尾できるかどうかを調べるポインティングの試験、各種部品のアンテ ナ本体への組み込みを行なった。 今年度は受信機を組み込んで望遠鏡システムとして立ち上げ、総合試験・調整 を行ない、夏から秋にかけての富士山頂等での試験観測で中性炭素原子線の 検出を目指す。

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Figure: Schematic drawing of the planned submillimeter-wave telescope at the summit of Mt. Fuji